- DYNAFITのランニングシューズは名前が似ていて、どのモデルを選べばいいかわからない
- ULTRAシリーズとDNAシリーズで、走りや履き心地の何が違うのか知りたい
- 日本で正規品のDYNAFITシューズをどこで買えるのか知りたい
「DYNAFIT」は1950年創業の山岳スキー用品を主力とするオーストリア発のマウンテンスポーツメーカーで、スキーアスリートやトレイルランナーに支持される山岳スポーツ生まれのランニングシューズブランドです。スキーブーツづくりで磨いた軽量化の技術と、レースで勝つことを前提にした無駄のない作りに定評があります。
この記事では、DYNAFITの特徴や独自テクノロジーをわかりやすく解説し、国内正規代理店のレクザムが扱う現行のランニングシューズを全モデル比較します。用途別のおすすめモデルも紹介しますので、DYNAFITのランニングシューズが気になっている人はぜひチェックしてください。
DYNAFITとは山岳スキー生まれのランニングシューズブランド
DYNAFITとは、1950年にオーストリアでスキーブーツの製造から始まり、現在は山岳スキー用品とトレイルランニング用のランニングシューズを展開するマウンテンスポーツブランドです。軽さと速さを優先するものづくりはシューズにも受け継がれており、山岳レースで勝つためのモデルから長距離を快適に走るモデルまでそろっています。
日本では「ディナフィット」と表記され、2017年から株式会社レクザムが正規代理店として国内販売を担当しています。DYNAFITのランニングシューズを正規品で手に入れるなら、レクザムの直営ショップか、同社と取引のある正規取扱店で購入するのが基本です。
DYNAFITの歴史・創業背景
DYNAFITの歴史は1950年、オーストリアで登山靴をベースにした革製スキーブーツの生産から始まりました。1970年代にはDYNAFITのブーツを履いた選手がワールドカップのダウンヒルで勝利を重ね、アルペンスキー用ブーツのメーカーとして名前を広げています。
2003年にはSALEWA Groupに加わり、DYNAFITは山岳スキーで培った軽量化と素材の知見をトレイルランニングの分野へ広げてきました。スキーブーツから続く歴史を知ると、DYNAFITのランニングシューズが「軽く、速く山を登る」ことを前提に設計されている理由がわかります。
DYNAFITのブランドコンセプト
DYNAFITは「by athletes, for athletes(アスリートによる、アスリートのための)」という考え方を掲げ、アスリート自身が開発に関わるブランドです。ランニングシューズでも、「ULTRA DNA」や「SKY DNA」のようにアスリートとともにレースで勝つことを目標に開発したモデルを用意しています。
2007年からは、絶滅のおそれがあるユキヒョウを守る米国シアトルの団体「Snow Leopard Trust」をDYNAFITが支援しています。シンボルに選んだ動物の保護活動を長く続けており、DYNAFITは山の自然を守る取り組みにも力を入れるブランドです。
DYNAFITの特徴・強み
DYNAFITの強みは、スキーブーツの分野で使われてきた素材や軽量化の技術をランニングシューズへ持ち込んでいる点です。たとえば「SKY DNA」のミッドソール(靴底のうち衝撃を吸収するクッション層)には、スキーブーツの分野で使われる素材のPebaxフォームを採用しています。
さらに、本記事で紹介するDYNAFITのランニングシューズはすべて動物由来の素材を使わずに作られており、「ULTRA 100 V3」や「ULTRA」のアッパーにはリサイクル素材を取り入れています。環境への配慮を道具選びの基準にしているランナーにとっても、DYNAFITは選びやすいブランドです。
DYNAFITの国内正規取扱いと購入方法
DYNAFITの国内正規代理店は株式会社レクザムで、2017年から日本でDYNAFIT製品の販売を続けています。ランニングシューズはレクザムの直営オンラインショップのほか、名古屋のMOOSEや新潟のWEST WEB STOREなど、正規取扱店の店舗や通販サイトでも販売されています。
サイズ選びについて、レクザムはDYNAFITのシューズを足長の実測値より1.0〜1.5cm大きめで検討するよう案内しています。各地で試し履きイベントも開かれているため、DYNAFITのランニングシューズは取扱店やイベントで実際に履いてからサイズを決めるのがおすすめです。
DYNAFITの機能とテクノロジー
ここではDYNAFITのランニングシューズに搭載されている独自テクノロジーを解説します。DYNAFITはミッドソールのフォーム材とアウトソールのゴム、足を包むフィットの設計を組み合わせて、レース向けと長距離向けの性格を作り分けているのが特徴です。
DYNAFITのランニングシューズに採用されている代表的なテクノロジーは以下のとおりです。
- SPEEDFOAM|長距離を支えるクッションミッドソール
- Vibram Megagrip・Traction Lug|濡れた岩場や泥道で効くグリップ
- Vibram Litebase|グリップを保ったまま軽くするソール技術
- Maximum Volume・DNA Precise Volume|用途で選べる2つのフィット
SPEEDFOAM|長距離を支えるクッションミッドソール
SPEEDFOAMは、DYNAFITがULTRA系のランニングシューズに使うミッドソール用のフォーム材です。着地の衝撃をやわらげつつ、次の1歩を蹴り出すための反発も残すのがSPEEDFOAMの役割です。
DYNAFITのSPEEDFOAMを使ったランニングシューズは、レース後半の長い下りで脚に疲れがたまった場面でも、着地の衝撃をしっかり受け止められるのが強みです。ペースよりも最後まで快適に走りきることを優先したいロングトレイルのランナーには、SPEEDFOAM搭載モデルがおすすめです。
Vibram Megagrip・Traction Lug|濡れた岩場や泥道で効くグリップ
Vibram Megagripは、イタリアのソールメーカーであるVibram(ビブラム)が開発したアウトソール(地面に接する靴底)用のラバーコンパウンドで、DYNAFITのランニングシューズの多くが採用しています。濡れた路面と乾いた路面という相反する条件で高いグリップを発揮し、耐久性にも優れたゴムです。
雨が多く、湿った岩や木の根が続く日本の山道では、アウトソールのグリップが走りやすさを大きく左右する要素です。DYNAFITのVibram Megagrip搭載モデルは、天候が読めない山のレースや梅雨どきのトレーニングにもおすすめです。
Vibram Litebase|グリップを保ったまま軽くするソール技術
Vibram Litebaseは、ラグのパターンや形状を変えずに、ゴム底の土台部分を薄くしてアウトソールを軽くするためにVibramが開発した技術で、DYNAFITのランニングシューズではゴム底の厚さを1.7mmから0.5/0.9mmまで薄くしています。
急登を何時間も登り続ける山岳レースでは、足元の軽さが終盤の脚の残り方に表れます。DYNAFITのVibram Litebaseはレース向けのDNA系モデルに採用されており、少しでもタイムを縮めたいレース志向のランナーにおすすめの技術です。
Maximum Volume・DNA Precise Volume|用途で選べる2つのフィット
DYNAFITはランニングシューズのフィットを、足を包む空間の大きさで作り分けています。Maximum Volumeは指先と足幅にゆとりを持たせたフィットで、長距離を走って足がむくんだ状態でもつま先が圧迫されにくい作りです。
長い距離を快適に走りたいならMaximum Volume、レースで足と靴を一体にして攻めたいならDNA – Precise Volumeと、DYNAFITのランニングシューズはフィットの違いが選び方の大きな基準になります。足幅が広めのランナーや、ロングレースで足のむくみが気になる人には、Maximum Volumeのモデルがおすすめです。
DYNAFITのランニングシューズ全モデルの種類と違いを比較
ここではDYNAFITのランニングシューズ全モデルの種類と違いを解説します。国内正規品として流通している現行モデルを、レース向けのDNA系から長距離の快適さを重視したULTRA系の順に並べました。
比較表で用途や重量、ドロップ(かかととつま先の靴底の高さの差)、フィットなどの違いを確認したあと、各モデルの詳細を紹介します。なお、後継の「ULTRA DNA 2」はDYNAFITの公式サイトで売り切れとなっており、2027年の再販予定のため掲載していません。
| モデル名 | 用途 | 重量(メンズ) | ドロップ | フィット | ミッドソール | アウトソール |
|---|---|---|---|---|---|---|
| ULTRA DNA | ウルトラ距離のレース | 280g | 8mm | Maximum Volume | SPEED+ | Vibram Litebase |
| SKY DNA | スカイレース・バーティカル | 239g | 4mm | DNA – Precise Volume | Pebaxフォーム | Vibram Litebase |
| ULTRA 100 V3 | 100km超の長距離 | 279g | 6mm | Maximum Volume | SPEEDFOAM Cushion | Vibram Megagrip |
| ULTRA | 長距離トレイルラン | 280g | 8mm | Maximum Volume | SPEEDFOAM Comfort | POMOCA |
ULTRA DNA

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| モデル名 | ULTRA DNA |
| 用途 | ウルトラ距離のレース |
| 重量(メンズ) | 280g |
| ドロップ | 8mm |
| スタックハイト(前足部/かかと) | 23+4/31+4mm |
「ULTRA DNA」は、DYNAFITがウルトラ距離のトレイルレースで勝つことを目標にアスリートと開発したレース用のランニングシューズです。ULTRAの名を持ちながらDNA系に属し、長い距離をいかに速く走りきるかに重点を置いたモデルに位置づけられています。
アウトソールはVibram Litebase(Megagrip)で、軽さを保ちながら濡れた岩場でもしっかりグリップします。岩から足を守るRockshieldに加え、DNA Volume ReducerとDouble Speed Lacingが足をしっかり固定するため、レース後半の荒れた下りでも足が靴の中で遊びにくい作りです。
DYNAFITの「ULTRA DNA」は、50kmを超えるトレイルレースや100kmクラスのレースでタイムを狙う中級者〜上級者におすすめのランニングシューズです。クッションは十分にある一方で作りはレース寄りのため、ゆっくり山を楽しみたいランナーには「ULTRA 100 V3」や「ULTRA」のほうが合います。
SKY DNA

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| モデル名 | SKY DNA |
| 用途 | スカイレース・バーティカル |
| 重量(メンズ) | 239g |
| ドロップ | 4mm |
| スタックハイト(前足部/かかと) | 15/19mm |
「SKY DNA」は、スカイレース(標高の高い山岳の急斜面を走るレース)やバーティカルレース(短い距離で一気に標高を稼ぐ登りのレース)で勝つために作られた、DYNAFITのDNA系で最も新しいランニングシューズです。重量はメンズ239g、ウィメンズの「SKY DNA W」が207gと、国内正規品のDYNAFITシューズで最も軽いモデルに仕上がっています。
アウトソールのVibram Litebase(Megagrip)が軽さとグリップを両立し、従来型の中敷きを省いた設計とDNA – Precise Volumeのフィットが足と靴を一体にします。Rockshieldによる保護も備え、岩が露出したテクニカルな登山道でも足元が思いどおりに動く作りです。
DYNAFITの「SKY DNA」は、急登や岩場の多い短〜中距離のレースで攻めたい上級者におすすめです。クッションは最小限なので、長い距離のレースや、トレイルランニングを始めたばかりのランナーには向きません。
ULTRA 100 V3

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| モデル名 | ULTRA 100 V3 |
| 用途 | 100km超の長距離 |
| 重量(メンズ) | 279g |
| ドロップ | 6mm |
| スタックハイト(前足部/かかと) | 23+5/29+5mm |
「ULTRA 100 V3」は、100kmを超えるウルトラトレイルを想定し、DYNAFITがクッションと安定性を最優先に仕上げた長距離向けのランニングシューズです。ウィメンズの「ULTRA 100 V3 W」も展開されており、重量はメンズ279g、ウィメンズ242gです。
アウトソールはVibram MegagripとTraction Lugの組み合わせで、深さ4mmのラグは登山道から林道まで路面を選ばずに使える設計です。Maximum Volumeのゆとりあるフィットとフラットなシューレースが足をやさしく包み、長時間走ったレース後半でも指先が窮屈になりにくい作りです。
DYNAFITの「ULTRA 100 V3」は、100kmクラスのレース完走を目指すランナーや、山歩きを兼ねた長時間のトレーニングをする人など、レベルを問わず快適さを優先したいランナーにおすすめします。一方で「SKY DNA」ほどの軽快さはなく、短いレースでスピードを競う用途には向きません。
ULTRA

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| モデル名 | ULTRA |
| 用途 | 長距離トレイルラン |
| 重量(メンズ) | 280g |
| ドロップ | 8mm |
| スタックハイト(前足部/かかと) | 22+4/30+4mm |
「ULTRA」は、あらゆる路面でのグリップと長いトレイルランでの快適さを重視した、DYNAFITの汎用性の高いランニングシューズです。履いた瞬間から快適さを感じられる、クッションの効いた長距離向けモデルに位置づけられています。
アウトソールには、DYNAFITと同じグループに属するPOMOCAのラバーを採用しました。ラグの深さは5mmと国内正規品のDYNAFITシューズで最も深く、ぬかるみや柔らかい土の上でもしっかり地面をとらえます。アッパーにはリサイクル素材を使い、フィットはMaximum Volumeでゆとりを持たせています。
DYNAFITの「ULTRA」は、トレイルランニングを始めたばかりのランナーや、普段のトレーニングからロングランまで1足でこなしたい人におすすめです。反発は控えめなので、レースでスピードを出すより一定のペースで長く走る用途に向いており、国内の直営ショップではメンズサイズ(25.0〜32.0cm)のみを扱っています。
まとめ
この記事では、DYNAFITのブランドの特徴や独自テクノロジーを解説し、国内正規品として販売されている現行のランニングシューズを全モデル比較しました。DYNAFITのランニングシューズは、レースで勝つためのDNA系と、長距離の快適さを重視したULTRA系に分かれています。
DYNAFITのシューズは足長より大きめのサイズが目安となるため、取扱店や試し履きイベントで実際に履いてから選ぶと失敗を防げます。自分の走る距離とレースの目的に合ったDYNAFITのランニングシューズを選ぶ参考になれば嬉しいです。


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