- デイリートレーナーとは、どんなランニングシューズ?
- レース用のシューズと何が違うの?
- 走り始めたばかりで、最初の1足をどの種類から選べば良いのか迷っている
デイリートレーナーとは、日々のジョグや距離走など、練習の大半で履くことを前提に作られた練習用のランニングシューズです。レース用のシューズが軽さと反発性を重視するのに対し、デイリートレーナーはクッション性と耐久性を優先しています。
本記事では、デイリートレーナーの意味と求められる性能、レーシングシューズやテンポアップシューズとの違い、向いている練習と向いている人、初心者の最初の1足に向く理由までを解説します。

デイリートレーナーとは

デイリートレーナーとは、毎日の練習で履くことを前提にした練習用のランニングシューズを指す呼び名です。英語のdaily(毎日の)とtrainer(練習用のシューズ)を組み合わせた言葉で、日々のジョグからゆっくり長く走る距離走までを受け持つシューズです。
デイリートレーナーの基本は、以下の4つの切り口で整理できます。
- 毎日の練習で履くことを前提にしたランニングシューズ
- ランニングシューズの種類の中での位置づけ
- ジョグシューズやクッション系と呼ばれることもある
- デイリーランとデイリートレーナーの関係
毎日の練習で履くことを前提にしたランニングシューズ

デイリートレーナーは、ジョグや距離走のように練習の大半を占めるメニューを任せるための練習用シューズです。シューズのデータベースサイトでも、ジョグ〜距離走を任せる主力の1足という位置づけで紹介されており、レースの日より普段の練習で足を通す回数のほうが多いのが特徴です。
初心者向けのシューズと思われがちですが、デイリートレーナーを履くのは走り始めの人だけではありません。トップレベルの選手もジョグやレース前後の調整でデイリートレーナーを履いており、練習量の多いランナーほど出番が増えます。
ランニングシューズの種類の中での位置づけ
ランニングシューズの種類の中で、デイリートレーナーは練習用シューズの土台にあたる位置づけです。ランニングの専門メディアでは、ランニングシューズを用途ごとにクッション系と安定系、スピードモデル(テンポアップシューズ)、レーシングシューズに分けて説明することが多く、デイリートレーナーはクッション系の別名として扱われています。
種類ごとの役割を並べると、毎日のジョグや距離走を受け持つデイリートレーナーを中心に置き、速い練習やレースに合わせてほかの種類を足していく形になります。最初の1足を選ぶ段階でも、どの練習で使うかを基準にすれば、候補の種類を絞り込みやすいでしょう。
ジョグシューズやクッション系と呼ばれることもある

デイリートレーナーは、メディアやショップによってジョグシューズやクッション系、練習用シューズとも呼ばれ、指しているシューズはほぼ同じです。ジョグシューズとは、文字どおりジョグをするためのランニングシューズのことで、ランニングの専門メディアでも別名デイリートレーナーとして紹介されています。
名前だけで判断せず、商品ページに書かれた想定の練習や距離の説明を読むと、どの種類にあたるかを見極めやすくなります。呼び名の違いに戸惑ったときほど、用途の説明に目を向けるのが確実な方法です。
デイリーランとデイリートレーナーの関係
デイリーランとは、日々の通常の練習として走るランニングのことです。スピードを上げるポイント練習(インターバル走やペース走など、強度を上げて行う練習)とは別に、自分のペースで走る距離を重ねる練習を指し、デイリーランで履くシューズがデイリートレーナーと呼ばれています。
デイリーランは練習の大部分を占めるため、デイリートレーナーには速さよりも、毎日履き続けられる作りが求められます。シューズの名前に「デイリー」が入っているのは、特別な日のためではなく、普段の練習のためのシューズであることを表すためです。
デイリートレーナーに求められる性能

デイリートレーナーの特徴は、毎日の練習で履き続けることを前提に、クッション性と耐久性と安定性をバランス良く備えている点です。レース用のシューズが軽さや反発性を突き詰めるのに対し、デイリートレーナーは長い距離を何度走っても履き続けやすい作りを重視しています。
毎日の練習で頼りにされるデイリートレーナーの性能は、以下の4つです。
- 着地の衝撃をやわらげるクッション性
- 毎日履いても傷みにくい耐久性
- ブレを抑えて走りやすい安定性
- 軽さよりもクッションと耐久性を優先している
着地の衝撃をやわらげるクッション性

デイリートレーナーのクッション性は、ゆっくり長く走る練習で繰り返す着地の衝撃をやわらげるために重視されています。ミズノは練習用シューズに求められる性能として、繰り返しの着地から脚への負担を抑えるクッション性を挙げています。
ただし、クッションの感じ方はモデルによって大きく違います。沈み込むように柔らかいモデルもあれば、適度な硬さで押し返すモデルもあり、同じデイリートレーナーでも走り心地は一様ではありません。好みの柔らかさは試し履きで確かめ、走るペースや距離に合うものを選ぶのが失敗しにくい方法です。
毎日履いても傷みにくい耐久性

デイリートレーナーには、毎日の練習で積み重なる走行距離に耐える耐久性が求められます。ミズノも練習用シューズの性能として、クッション性と並んで耐久性を挙げており、日々のジョグを任せるシューズほど長く形を保つことが大切です。
対照的に、レーシングシューズは軽さや反発性を優先するぶん、耐久性を犠牲にすることがあります。レース用のシューズで毎日の練習を走り続けると傷みが早く進みやすいため、日々のジョグはデイリートレーナーに任せ、レース用は本番やスピード練習に回す使い分けが合理的です。
ブレを抑えて走りやすい安定性

デイリートレーナーは、アッパー(足の甲や側面を包む靴の上側の部分)のサポートやソールの形によって、着地のブレを抑えやすい作りです。レーシングシューズとの違いを解説した専門メディアでも、デイリートレーナーのアッパーはサポート性が充実していると紹介されています。
着地のときに足首が内側へ倒れ込みやすい人は、オーバープロネーション(着地で足が内側へ過度に倒れ込む動き)を支える構造を持つスタビリティシューズも候補になります。足のブレが気になるなら、安定性を重視したランニングシューズから選ぶのも1つの方法です。
足のブレが気になるなら、以下の記事で安定性重視のランニングシューズを紹介しています。
軽さよりもクッションと耐久性を優先している
デイリートレーナーは、レース用のシューズと比べると重さがあるかわりに、クッションと耐久性を優先した作りになっています。ミズノは練習用シューズについて、多少重くても脚への負担を抑えることを最優先にすると説明しており、重さは設計の方針として選ばれた結果です。
重さはデイリートレーナーの欠点ではなく、毎日の練習を支えるという役割の違いから生まれる特徴です。シューズの重さを比べるときは、数字の軽さだけで選ばず、どの練習で履くかとあわせて考えると選び間違いを防げます。
レーシングシューズやテンポアップシューズとの違い

デイリートレーナーとレーシングシューズ、テンポアップシューズの違いが表れるのは、重視する性能と使う場面です。デイリートレーナーがクッション性と耐久性を優先するのに対し、レーシングシューズは軽さと反発性を重視し、テンポアップシューズは両者の中間の性能を備えています。
デイリートレーナーと他のシューズの違いは、以下の3つの視点で見るとわかりやすいです。
- レーシングシューズは軽さと反発性を重視する
- テンポアップシューズはジョグとレースの中間に位置する
- 厚底かどうかだけでは見分けられない
レーシングシューズは軽さと反発性を重視する

レーシングシューズは、レース本番で速く走るために軽量性と反発性を重視したシューズです。ミズノは、軽さで脚の回転をなめらかにし、高反発の素材やカーボンプレート(ミッドソールに埋め込んだ炭素繊維の板)で着地のエネルギーを推進力に変えると説明しています。
| 項目 | デイリートレーナー | レーシングシューズ |
|---|---|---|
| 重視する性能 | クッション性と耐久性 | 軽量性と反発性 |
| ソール | クッション性が高い | 反発性が高い |
| アッパー | サポート性が充実している | 軽さを優先した作り |
| 走り味 | ガイドに沿って前へ進む感覚 | 跳ねるように進む感覚 |
| 主な出番 | ジョグやLSD、距離走 | レース本番やスピード練習 |
レーシングシューズは軽くするためにアッパーのサポートを削っているものが多く、ランニングの専門メディアでは安定性が比較的低いと指摘されています。初心者や筋力が十分でないランナーには負担になりやすいとも説明されており、毎日の練習で履き続けるシューズとしては向きにくい作りです。
テンポアップシューズはジョグとレースの中間に位置する

テンポアップシューズとは、デイリートレーナーより反発性を高めた、速いペースの練習で履くための練習用シューズです。スピードモデルやスピードシューズとも呼ばれ、ジョグ用のデイリートレーナーとレース用のレーシングシューズの中間に位置づけられています。
カーボンなどのプレートを入れてレースで使えるモデルもありますが、反発力はレーシングシューズほど強くなく、アッパーのサポートはしっかりしている傾向があります。デイリートレーナーとの違いは反発性の高さにあり、ゆっくりしたジョグでは持ち味を生かしにくいため、速い練習の日に履き替えるのが基本の使い方です。
厚底かどうかだけでは見分けられない

デイリートレーナーにもレース用のシューズにも厚底のモデルがあるため、ソールの厚さだけでは種類を判断できません。レーシングシューズはカーボンプレートを搭載した厚底のモデルが多いと紹介される一方、デイリートレーナーを厚底の中でもクッション量の多いシューズとして説明する専門メディアもあります。
見分けるときは、商品ページの用途の説明と、反発性とクッション性のどちらを重視しているかを確かめます。「ジョグ」「デイリー」「クッション」が前に出ていればデイリートレーナー、「レース」「スピード」「反発」「カーボンプレート」が並んでいればテンポアップシューズやレーシングシューズにあたると考えて良いでしょう。
デイリートレーナーが向いている練習と向いている人

デイリートレーナーが向いているのは、ジョグやLSD(Long Slow Distanceの略で、ゆっくりしたペースで長い距離を走る練習)、ロング走のように、ゆっくりしたペースで長く走る練習です。走り始めたばかりの人から練習量の多いランナーまで、普段の練習の大半を任せられる点が大きな強みになります。
デイリートレーナーが活躍する練習の場面は、以下のとおりです。
- ジョグやLSD・ロング走などゆっくり長く走る練習
- ウォーミングアップやクールダウン
- インターバルやペース走はレース用シューズと使い分ける
ジョグやLSD・ロング走などゆっくり長く走る練習

デイリートレーナーの中心となる用途は、ジョグやLSD、ロング走のように、ゆっくり長く走る練習です。ミズノも、ジョグやLSDにはクッション性と安定性の高いデイリートレーナーを使うよう勧めています。
走り始めの人はジョグが練習の中心になり、練習量の多いランナーもジョグや距離走が練習の大半を占めます。経験の長さにかかわらずデイリートレーナーを履く日がいちばん多くなるので、足に合う1足を選んでおくと、毎日の練習を続けやすくなるでしょう。
ウォーミングアップやクールダウン
デイリートレーナーは、スピード練習やレースの前後に行うウォーミングアップ(練習の前に体を温める準備の運動)やクールダウン(練習のあとにペースを落として体を落ち着かせる運動)でも履かれています。トップレベルの選手が練習やレース前後の調整にデイリートレーナーを使っていることも、雑誌メディアで紹介されています。
レース当日も同じで、スタート前のウォーミングアップをデイリートレーナーで済ませ、本番用のシューズはスタート前に履き替える方法があります。レース用のシューズは耐久性を抑えた作りのものもあるため、本番以外で走る距離を減らしておくと状態を保ちやすくなります。
インターバルやペース走はレース用シューズと使い分ける

インターバル走やペース走のような速いペースの練習はレース用のシューズで、ジョグやLSDはデイリートレーナーで走るのが、メーカーの勧める使い分けです。ミズノは、インターバル走やペース走には軽量で反発性の高いレース用か、レース用に準ずるスピード練習用のモデルを使うよう説明しています。
古くなったレース用のシューズを練習用に回すのも、シューズローテーションの1つの形です。ミズノは、何回かレースで履いたシューズをまずスピード練習用に回し、さらに走り込んだらジョグ用へと役割を段階的に変える方法を、シューズを長く使うための工夫として紹介しています。
初心者の最初の一足にデイリートレーナーが向く理由

デイリートレーナーは、走り始めたばかりの人や、どのシューズを選べば良いか迷っている人の最初の一足に向くランニングシューズです。ランニングの専門メディアでも、初心者が最初に選ぶシューズとして勧めているのはクッション系のシューズです。
初心者の最初の一足にデイリートレーナーが向く理由は、以下の4つです。
- クッション性と安定性のバランスがよい
- 練習からレースの本番まで1足で使える
- 長く改良が続いてきた定番のモデルが多い
- ワイドなど足に合うサイズを見つけやすい
クッション性と安定性のバランスがよい
デイリートレーナーは、クッション性と安定性のどちらにも偏らない作りのため、フォームが固まっていない時期でも履きやすいシューズです。雑誌メディアでも、デイリートレーナーはクッション性と安定性をしっかり備えていると紹介されています。
走り慣れてきて足の倒れ込みなどのクセがわかったら、2足目で安定性を重視したシューズやテンポアップシューズを足していく流れが自然です。最初の1足をデイリートレーナーにしておけば、2足目以降も練習内容から選びやすいでしょう。
練習からレースの本番まで1足で使える
デイリートレーナーは、日々の練習から初めての大会まで1足で済ませやすいシューズです。雑誌メディアでは、レースに使えないわけではなく、初めてのフルマラソンで完走を目指すランナーにとって頼りになるシューズとして紹介されています。
大会に出るたびにシューズを買い足す必要はありません。最初は1足に絞って練習とレースを経験し、目標タイムが見えてきた段階でレース用のシューズを検討すると、手持ちのシューズを無駄なく使い分けられます。
長く改良が続いてきた定番のモデルが多い

デイリートレーナーは、シリーズ化されて長く販売されているロングセラーのモデルが多い種類です。雑誌メディアでは、最先端のレーシングシューズと比べてロングセラーのモデルが多いことがデイリートレーナーの特徴として挙げられ、初登場から長い年月にわたってアップデートを繰り返しているモデルもあると紹介されています。
定番のモデルが決まっていれば、履きつぶしたあとも同じシリーズの後継モデルから次のシューズを探せます。モデル選びを一から始め直さずに済むため、走り始めの人ほどシリーズの長さを判断材料に加えておくと便利です。
ワイドなど足に合うサイズを見つけやすい

デイリートレーナーは各メーカーから多くのモデルが出ており、足幅に合わせたワイドのサイズを用意しているモデルもあるため、自分の足に合う1足を探しやすい種類です。雑誌メディアでも、ワイドサイズの幅広タイプがあるモデルや、レーシングシューズよりカラーバリエーションが多いことが紹介されています。
デイリートレーナーは毎日の練習で履く時間が長いランニングシューズなので、足に合うかどうかが履き続けやすさを大きく左右します。ワイドの有無も含めてメーカーごとのモデルを比べ、足の形に合う1足を見つけておけば、毎日の練習に集中しやすくなります。
最初のデイリートレーナーを探すなら、以下の記事を参考にしてください。
まとめ
デイリートレーナーとは、ジョグやLSD、ロング走など練習の大半を任せるための練習用ランニングシューズです。クッション性と耐久性と安定性をバランス良く備え、軽さと反発性を重視するレーシングシューズや、両者の中間にあたるテンポアップシューズとは、重視する性能と使う場面が違います。
走り始めたばかりで最初の1足を選ぶなら、練習から初めての大会まで使えるデイリートレーナーから始めるのが近道です。ワイドなどのサイズも含めて試し履きで足に合う1足を見つけ、毎日の練習を気持ち良く積み重ねていきましょう。


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